多くの企業で導入されているオフィスコーヒー。従業員のモチベーション向上やリフレッシュに非常に効果的ですが、導入にあたって総務や経理担当者が頭を悩ませるのが「経理処理」です。「オフィスコーヒーの費用は福利厚生費として落とせるのか?」「非課税で計上するための具体的な条件は何か?」といった疑問は少なくありません。適切な処理計をしなければ、税務調査で「給与」とみなされ課税対象になるリスクもあります。
本記事では、オフィスコーヒーを福利厚生費(非課税)として計上するための要件や、導入方法、メリットを詳しく解説します。
オフィスコーヒーにかかる費用を福利厚生費として計上し、非課税扱いとするためには、税務上の要件を満たす必要があります。単にオフィスにコーヒーを設置すればすべて福利厚生費として認められるわけではなく、国税庁の指針に基づく「全従業員が利用できること」と「社会通念上妥当な金額であること」という2つの大きな条件をクリアしなければなりません。
福利厚生費として認められるための第一の条件は、全従業員を対象としており平等に利用できる機会が提供されていることです。ここでいう「全従業員」とは、正社員だけでなく契約社員、パートタイマー、アルバイトなど、雇用形態を問わず自社で働くすべてのスタッフを含みます。
例えば、「役員専用のラウンジにのみ設置されている」「特定の部署の従業員しか利用できない」といった利用対象が限定的な場合は、福利厚生費としての計上は認められません。コーヒーを飲まない従業員への配慮として、紅茶や緑茶などを併せて用意することも実務上「全員が平等に利用できる」状態を作る上で有効な工夫といえます。特定の個人だけが利益を受けるのではなく、会社全体として「従業員の慰安や環境改善」を目的にしていることが重要です。
第二の条件は、会社が負担する費用が「社会通念上妥当な金額」であることです。世間一般の常識の範囲内で、一杯あたり数千円もするようなコーヒー豆の提供や過剰に高額なコーヒーマシンを導入したりした場合、社会通念上の福利厚生とはみなされず、課税対象となるリスクが生じます。
一般的に、オフィスコーヒーの費用感としては一杯あたり20円〜数百円程度が妥当な範囲とされています。また、従業員に対してコーヒー代として現金を支給するのではなく、コーヒーマシンの設置や自動販売機の導入など「現物提供」の形をとることも重要です。現金支給は実質的な手当(給与)とみなされるため、節税を目的とする場合は必ず現物での提供を行いましょう。
オフィスコーヒーを導入しても、条件を満たさなければ福利厚生費として認められず、課税対象となるケースがあります。税務調査で指摘を受けないためにはどのような場合に課税対象となるのか、また用途に応じてどの勘定科目を選ぶべきかを正しく理解しておくことが重要です。
福利厚生費として認められず、現物給与などとして課税対象になり得る代表的なパターンには以下のようなものがあります。
コーヒーにかかる費用は、提供する場面や対象者によって適切な勘定科目が異なります。福利厚生費以外にも使える主な勘定科目とその使い分けを整理しましょう。
このように用途に応じた正しい経理処理を行うことが、将来的な税務リスクを避けるためのポイントです。
福利厚生としてオフィスコーヒーを導入する場合、自社の規模や予算、運用体制に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な導入方法の特徴とコストの目安を解説します。
オフィスコーヒーを導入する際、初期費用を抑える「レンタル」か、ランニングコストを重視する「購入」かを選択する必要があります。それぞれの特徴を理解し、自社の規模や予算、管理体制に合わせて最適な形態を選びましょう。
レンタル(初期費用を抑えたい場合):初期投資を抑えて導入できるのがレンタルの大きなメリットです。サービス提供会社によってはマシンの貸出料が無料のプランも多く、故障時の無償サポートや定期メンテナンスが含まれていることがあるため、担当者の管理負担を大幅に軽減できます。一方で、貸出料が無料になる条件や毎月の最低注文量(ノルマ)、契約期間の縛りなど事前に確認が必要です。
購入(長期的なコスパを重視する場合):長期的な運用を前提とするなら、マシンを購入した方がトータルコストを抑えられる傾向にあります。特定の業者に縛られることなく、オフィスに合わせた好みのコーヒー豆を自由に選べる点も魅力です。ただし、導入時のまとまった費用負担に加え、日常的な清掃管理や万が一の故障対応を自社で管理・判断しなければならない点に留意しましょう。
自動販売機:紙コップ式の自動販売機は、設置や補充、清掃を業者がすべて行ってくれるため、管理の手間が一切かかりません。24時間稼働するため交代制の職場にも適しています。ただし、設置には相応のスペースと電気代が必要となります。
ドリップバッグ定期便:専用マシンを必要とせず、お湯さえあればどこでも飲めるドリップバッグの定期配送サービスです。初期費用がゼロで、小規模オフィスやリモートワークが中心の企業に最適です。
オフィスコーヒーの導入は、単なる飲料の提供にとどまらず、経営視点でも多くのポジティブな影響をもたらします。
コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用やリラックス効果は、仕事の集中力を高め生産性の向上に寄与します。業務の合間に手軽に質の高いコーヒーが飲める環境は、従業員のストレス軽減につながります。
また、コンビニやカフェへ買いに行く時間と金銭的な負担を軽減できることは、従業員にとって実質的な待遇改善と感じられます。こうした小さな配慮の積み重ねが、従業員満足度の向上ひいては離職率の低下にもつながるのです。
コーヒーマシンが設置された場所は「マグネットスペース」と呼ばれ、自然と人が集まる場所になります。部署や役職を超えた雑談の中から新しいアイデアが生まれたり、社内の風通しが良くなったりする効果が期待できます。
さらに、福利厚生の充実は採用活動におけるアピールポイントとしても機能します。「働きやすい環境づくりに力を入れている企業」というイメージは、優秀な人材の獲得にプラスに働き、従業員への細やかな配慮が結果として企業全体の組織力向上という大きなメリットをもたらします。
オフィスコーヒーを福利厚生費として非課税で計上するためには、「全従業員が平等に利用できること」と「社会通念上妥当な金額であること」という2つの大原則を守ることが不可欠です。役員専用にしたり、現金で支給したりすると、税務調査で給与課税の対象となり、従業員にも負担を強いることになりかねません。
導入にあたっては、マシンのレンタルや購入、ドリップバッグなど自社の規模や運用コストに見合った適切な方法を選びましょう。また、コーヒー以外にも紅茶やデカフェを揃えるなどの工夫により、平等性を高めることができます。
導入前には社内のニーズをしっかりと調査し、処理方法に不安がある場合は顧問税理士へ事前に確認を行うことが、税務リスクを抑える近道です。適切な運用を通じて、従業員の満足度と生産性を高めるオフィス環境を実現しましょう。
ここでは、一杯抽出型マシンを取り扱っており、無料で試飲体験ができるオフィスコーヒーメーカーの中から、味へのこだわり別におすすめ3社をご紹介します。試飲することで、実際にそれぞれの味をぜひ体験してみてください。
若手社員が多い職場向け
女性社員が多い職場向け
来客が多い職場向け
※選定基準※
2023年10月31日時点のGoogleで「オフィスコーヒー」と検索して出てきた全20ページの中から、下記条件のもとコーヒーマシンを扱っている会社を選定
・全国に対応していると公式HPに記載されている
・無料の試飲サービスを体験できる